02. あの海へ帰りたい
作詞・作曲:宮沢和史
Produced and Arranged by 森 俊之
宮沢和史
―― やっと自分でも歌えるようになった
 沖縄の民謡歌手、我如古より子さんを知ったのは、80年代終わり、坂本龍一さんのワールド・ツアーのビデオで、我如古より子さん、古謝美佐子さん、玉城一美さんの3人によるコーラス・グループ「オキナワチャンズ」を見てのことです。より子さんの歌声にひかれてそれでコンタクトをとったのです。その後THE BOOMの「いいあんべえ」(1993年)や「砂の岬」(1996年)で歌ってもらったりというお付き合いが続いています。この曲は我如古さんに頼まれた曲で、プロデュースもしています。自分自身初めてのプロデュースということで気合いが入りすぎまして(笑)、シングルなのに曲が長くなっちゃって。でも、すごく気に入ってるので、僕もいつか歌いたいなとずっと思ってたんです。THE BOOMのツアーでもいちど歌うつもりで、リハーサルをしたのですがそのときはうまくいかなくて見送ることになりました。より子さんをイメージして書いた、自分にとってはその当時年齢的には未来の歌なんだけど、そういうことを想像して書くのはすごく楽しいです。あれから何年もたって、やっと自分でも歌えるようになったかなと思っています。三線は僕が弾いています。
FROM PRODUCER 森俊之
―― どこか南国と欧州が出会い、でも日本
 南国の夏、壮大さ、郷愁的せつなさ、止まりそうなゆっくりとした時間……。いわゆる定番的アプローチから逸脱することなくいろんな音楽のミクスチャーにしたかった。各々の楽器が各々の役割をしっかりともって、それらを表現していく。そして最終的に声と歌詞が耳から離れない、そんな感じにしたかった。どこか南国と欧州が出会い、でも日本。そんな混ざり具合が相当に気に入ってます。林立夫さんの、まるで最終形を知っているかのドラミングには、レコーディング中に目が点になりました。後で音をダビングすればするほどドラムと歌との関係が心地よくなってくる。凄いことです。全体的にピアニッシモからフォルテシモまで振り幅広いダイナミクスを表現しきれたと思ってます。
FROM ORIGINAL SINGER 我如古より子
―― 人生に対する情熱的で一生懸命な思い
 宮沢さんに曲を提供していただくことになった時、宮沢さんから「どんな曲がいいでしょうか?」と質問がありました。私は「『島唄』みたいに老若男女に聞いてもらえるような歌がいい」などとわがままなことを言ってしまいました。後日、宮沢さんが「より子さんならこんな歌がいいかと思って」と「あの海へ帰りたい」が届いたのです。とてもすてきな詞と曲で、宮沢さんの、人生に対する情熱的で一生懸命な思いが感じられ、私も大事に歌っていきたいと思う曲のひとつになりました。
 宮沢ヴァージョンの「あの海へ帰りたい」。甘く優しい歌声はきっとたくさんの人達の心を癒してくれると思います。更なる御活躍をお祈り申し上げます。
MUSICIANS
宮沢和史 三線
森 俊之 Acoustic Piano, Synthesizers & Programming, Strings Arrangement
林 立夫 Drums
沖山優司 Electric Bass
古川昌義 Acoustic Guitar, Electric Guitar
後藤勇一郎ストリングス
『恋の花』
(くいぬはな)
楽曲紹介 - あの海へ帰りたい
1995年にリリースされた我如古(がねこ)より子のアルバム『恋の花(くいぬはな)』への提供詞曲。オリジナルは宮沢がプロデュース。レコーディングにはtatsu(レピッシュ)や山口洋(ヒートウェイヴ)が参加している。同アルバムには他に宮沢とのデュエット「西武門節」、THE BOOMの「島唄」カバーが収録されている。
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